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「巨大地震や自然災害に備える」 プラス・アーツ 永田代表に聞く

――海外での取り組みを教えて下さい。
 楽しく防災の知識を学べる手法は、海外でも求められています。2006年のインドネシアを皮切りに「イザ!カエルキャラバン!」の海外支援をはじめました。2015年からはネパールを継続的に支援しています。ネパールでは2015年に大地震が起き、6000人以上の大切な命が奪われました。ネパール国民の多くは、災害時の自助・共助の意識が乏しく、日本では通常行われている地域での防災訓練そのものが存在しません。つまり防災意識が非常に低い状況下で甚大な被害を受けたのです。
 ネパールの小学校では、「金曜の午後にクラブ活動を行っている」学校が多いと聞き、5都市約15の小中学校で「防災教育クラブ」を立ち上げました。私たちがいなくなっても継続するサステナブル(持続可能)な仕組みを考えたのです。

被災地・ネパールで広がる防災教育

被災地・ネパールで広がる防災教育 被災地・ネパールで広がる防災教育
※NPO法人「プラス・アーツ」提供

 最初は各校のクラブの顧問になる先生を集め、「イザ!カエルキャラバン!」の楽しく学ぶ防災教育の手法を伝えました。防災教材を地域の状況にあわせて編集したり、新たに開発したりするワークショップも実施。デジタル化し、地元で増刷できる体制にしました。地域事情を反映したオリジナル教材を現地の先生たちが自身で作ったため、学校ごとに積極的に活用されており「防災教育クラブ」は大変盛り上がっています。

 
被災地・ネパールで広がる防災教育 被災地・ネパールで広がる防災教育
※NPO法人「プラス・アーツ」提供

 また、学校内で高学年のクラブメンバーが低学年の児童たちに教材を使って防災の知識を教え始めたり、流行したデング熱の教材を現地の先生たちが新たに開発したり=写真上、予想を超えた展開もあります。今後は、現地に開設した防災教育センター=写真下=を拠点に防災教育を始めようとしている他の学校の支援を広めていきたいと考えています。この仕組みは、日本でも有効で成立すると思います。

――防災を推進する取り組みを、社会全体で支える必要がありますね。ありがとうございました。

私たちは「だいじょうぶ」キャンペーンを応援しています。私たちは「だいじょうぶ」キャンペーンを応援しています。