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「巨大地震や自然災害に備える」 プラス・アーツ 永田代表に聞く

NPO法人 プラス・アーツ 永田宏和理事長

NPO法人「プラス・アーツ」(神戸市)の永田宏和理事長は、阪神大震災(1995年)経験後、防災の知識や技を楽しく学ぶ「イザ!カエルキャラバン!」などを国内外で展開してきました。防災教育普及に取り組み、「防災」を、社会で支える仕組み作りに力を入れています。その具体的な取り組みと、巨大地震や自然災害に対する備えなどについて聞きました。

――巨大地震や自然災害に対して、どのような心構えと準備が必要でしょうか?
 災害は、次の瞬間起こるかもしれない。そう思うことで、普段からの具体的な備えにつながります。普段自宅にいない人は、持ち歩くカバンの中に、両手が空く小さなヘッドライトを入れておくと良いです。夜に被災して停電すると、普段経験しない闇に包まれます。地震直後は、余震も襲ってくることが多く、暗くて何も見えない中で揺れるのは恐怖でしかないです。
 また、携帯トイレも大切です。災害時は仮設トイレが大変混雑するため、便器にかぶせるタイプではなく、自立型で凝固剤などが備わり、処理できるものを持っておきましょう。アルミの布「エマージェンシーブランケット」も、毛布代わりになったり、携帯トイレを使用する際に周りから体を隠せたりします。その他、普段から50㌢角のハンカチを持っていると、マスク代わりにも、応急手当時の止血帯にもなります。私もこれらの防災グッズを出張や遠出の外出時には、持ち歩いています。

トイレの問題は切実

小学校に設けられたマンホールトイレ
※小学校に設けられたマンホールトイレ=和歌山市で2021年、橋本陵汰撮影

 携帯トイレの備蓄は、自宅にも必要です。阪神大震災のときは、トイレが3か月くらい使えないご家庭もありました。水が出ない、水を流せない状況をどう乗り切るか、切実な問題です。一方で、何か月分も携帯トイレを家庭で備蓄するのは難しい。最初は携帯トイレで乗り切り、その後はゴミ袋と新聞紙で作る「サバイバルトイレ」に移行するのが現実的です。仮設トイレや、マンホールトイレなど、第三者が設置してくれる公的なトイレもなるべく使う。いつ復旧するかわからないので、家庭にある携帯トイレやゴミ袋はなるべく大切に使い、長期間に及ぶ不便なトイレ問題をなんとか乗り切っていただきたいと思います。

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