テーマ「防災」メインビジュアル

「巨大地震や自然災害に備える」 プラス・アーツ 永田代表に聞く

――地震が発生した際、まずどのように動けば良いでしょうか?
 震度5以上のゆれでは立っていることもままならず、テーブルの下にもぐりこむことも難しいかもしれませんが、自らを危険にさらす行動は避けましょう。家の中にいる場合は、頭と血管を守ることが最優先です。その場を動けないようなら、頭を手で守って姿勢を低くし、首や手首などの太い血管を守ってください。テーブルの下に入れたら、対角の足をつかんで固定してください。机が安定している場合は、頭を手で守ってください。
 その他、お風呂→ドアをあけて避難経路を確保し、洗面器などで頭を守りながらゆれが収まるまで待機。寝ている場合→布団にくるまって身を守る。自宅を後にして避難所に向かう前には、ブレーカーを落とし、鍵をかけ、ガスや水道の元栓を閉めるようにしてください。

――マンションなどの集合住宅では、どのような形でコミュニティーを作り、「共助」の取り組みを推進すれば良いでしょうか?
 「プラス・アーツ」では、不動産会社などから依頼を受け、マンションでのコミュニティー作りにも関わっています。コロナ禍になる前、京都のファミリーマンションの集会室を、気軽に集えるカフェにしたことがあります。
 まず、住民のみなさんにとって、居心地のよい「サードスペース」にしようと考え、カフェで使うテーブルや棚を家具職人さんと作るワークショップを開きました。そうすると、帰属意識が芽生えてくる。その流れで午後からは夏祭りをみんなで考える企画をしました。何度もマンションの住民が集まり、夏祭りには予想をはるかに超える多くの住民が参加しました。あわせて防災訓練を企画したら、訓練にもたくさんの人が来てくれました。

防災訓練
※NPO法人「プラス・アーツ」提供

マンション管理会社が共助を支える?
 私は、マンション管理会社が、住民の意識をちょっと変え、調整する組織となり、コミュニティーをコーディネートする役割を果たすべきだと考えています。現代は「コミュニティーが希薄」といいますが、全員が地域に無関心なわけではない。ただ率先して手を挙げ、重荷を背負ってリーダー的に動く人はあまりいない。コミュニティーにいればラッキーですが、「いたらラッキー」の世界は、社会システムになりません。住民に「頑張れ」と外からお尻をたたく発想ではなく、社会が支える仕組みを考えたほうがよいのです。

私たちは「だいじょうぶ」キャンペーンを応援しています。私たちは「だいじょうぶ」キャンペーンを応援しています。